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近代詩

近代詩

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2021/03/11

21:28

21:14

まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは 薄紅の秋の実に 人こひ初めしはじめなり わがこゝろなきためいきの その髪の毛にかゝるとき たのしき恋の盃を 君が情に酌みしかな 林檎畠の樹の下に おのづからなる細道は 誰が踏みそめしかたみぞと 問ひたまふこそこひしけれ

21:07

初恋。 島崎藤村

2021/03/08

20:04

明るい方へ 明るい方へ 明るい方へ。 一つの葉でも 陽のもるとこへ。 やぶかげの草は。 明るい方へ 明るい方へ。 はねはこげよと 灯のあるとこへ。 夜とぶ虫は。 明るい方へ 明るい方へ。 一分もひろく 日のさすとこへ。 都会(まち)に住む子らは。

20:04

明るい方へ

20:01

このみち このみちのさきには、 大きな森があろうよ。 ひとりぼっちの榎(えのき)よ、 このみちをゆこうよ。 このみちのさきには、 大きな海があろうよ。 はす池のかえろうよ、 このみちをゆこうよ。 このみちのさきには、 大きな都があろうよ。 さびしそうなかかしよ、 このみちを行こうよ。 このみちのさきには、 なにかなにかあろうよ。 みんなでみんなで行こうよ、 このみちをゆこうよ。

19:59

日の光 おてんと様のお使いが そろって空をたちました。 みちで出会ったみなみ風、 (何しに、どこへ。)とききました。 ひとりは答えていいました。 (この「明るさ」を地にまくの、 みんながお仕事できるよう。) ひとりはさもさもうれしそう。 (わたしはお花をさかせるの、 世界をたのしくするために。) ひとりはやさしく、おとなしく、 (わたしはきよいたましいの、 のぼるそり橋かけるのよ。) のこったひとりはさみしそう。 (わたしは「かげ」をつくるため、 やっぱり一しょにまいります。)

19:58

雪 だれも知らない野のはてで 青い小鳥が死にました   さむいさむいくれがたに そのなきがらをうめよとて お空は雪をまきました   ふかくふかく音もなく 人は知らねど人里の 家もおともにたちました   しろいしろいかつぎ着て やがてほのぼのあくる朝 空はみごとに晴れました   あおくあおくうつくしく 小さいきれいなたましいの 神さまのお国へゆくみちを   ひろくひろくあけようと

19:57

(削除されました)

19:55

花のたましい ちったお花のたましいは、 みほとけさまの花ぞのに、 ひとつのこらずうまれるの。 だって、お花はやさしくて、 おてんとさまがよぶときに、 ぱっとひらいて、ほほえんで、 ちょうちょにあまいみつをやり、 人にゃにおいをみなくれて、 風がおいでとよぶときに、 やはりすなおについてゆき、 なきがらさえも、ままごとの ごはんになってくれるから。

19:54

ぬかるみ このうらまちの ぬかるみに、 青いお空が ありました。 とおく、とおく、 うつくしく、 すんだお空が ありました。 このうらまちの ぬかるみは、 深いお空で ありました。

19:53

しょうじ おへやのしょうじは、ビルディング。 しろいきれいな石づくり、 空までとどく十二階、 お部屋の数は四十八。 一つのへやにはえがいて、 あとのおへやはみんな空(から)。 四十七間のへやべやへ、 だれがはいってくるのやら。 ひとつひらいたあのまどを、 どんな子どもがのぞくやら。 まどはいつだか、すねたとき、   指でわたしがあけたまど。 ひとり日ながにながめてりゃ、 そこからみえる青空が、 ちらりとかげになりました。

19:50

美しい町 ふと思いだす、あの町の、 川のほとりの、赤い屋根、 そうして、青い大川の、 水の上には、白いほが、 しずかに、しずかに動いてた。 そうして、川岸(かし)の草の上、 わかい、絵かきのおじさんが、 ぼんやり、水をみつめてた。 そうして、わたしは何してた。 思いだせぬとおもったら、 それは、だれかにかりていた、 ご本のさし絵でありました。

19:48

すなの王国 わたしはいま すなのお国の王様です。 お山と、谷と、野原と、川を、 思うとおりにかえてゆきます。 おとぎばなしの王様だって 自分のお国のお山や川を、 こんなにかえはしないでしょう。 わたしはいま ほんとにえらい王様です。

19:46

こころ おかあさまは おとなで大きいけれど、 おかあさまの おこころはちいさい。 だって、おかあさまはいいました、 ちいさいわたしでいっぱいだって。 わたしは子どもで ちいさいけれど、 ちいさいわたしの こころは大きい。 だって、大きいおかあさまで、 まだいっぱいにならないで、 いろんなことをおもうから。

19:45

こだまでしょうか 「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。 「ばか」っていうと 「ばか」っていう。 「もう遊ばない」っていうと 「遊ばない」っていう。 そうして、あとで さみしくなって、 「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。 こだまでしょうか、 いいえ、だれでも。

19:43

だれがほんとを だれがほんとをいうでしょう、 わたしのことを、わたしに。   よそのおばさんはほめたけど、 なんだかすこうしわらってた。 だれがほんとをいうでしょう、 花にきいたら首ふった。   それもそのはず、花たちは、  みんな、あんなにきれいだもの。 だれがほんとをいうでしょう、 小鳥にきいたらにげちゃった。   きっといけないことなのよ、  だから、いわずにとんだのよ。 だれがほんとをいうでしょう、 かあさんにきくのは、おかしいし、   (わたしは、かわいい、いい子なの、  それとも、おかしなおかおなの。) だれがほんとをいうでしょう、 わたしのことを、わたしに。

19:40

ゆめとうつつ ゆめがほんとでほんとがゆめなら、 よかろうな。 ゆめじゃなんにも決まってないから、 よかろうな。 ひるまの次は、夜だってことも、 わたしが王女でないってことも、 お月さんは手ではとれないってことも、 ゆりのなかへははいれないってことも、 時計のはりは右へゆくってことも、 死んだ人たちゃいないってことも。 ほんとになんにも決まってないから、 よかろうな。 ときどきほんとをゆめにみたなら、 よかろうな。

19:38

こよみと時計 こよみがあるから こよみをわすれて こよみをながめちゃ、 四月だというよ。 こよみがなくても こよみを知ってて りこうな花は 四月にさくよ。 時計があるから 時計をわすれて 時計をながめちゃ、 四時だというよ。 時計がなくても 時間を知ってて りこうなとりは 四時にはなくよ。

19:36

なしのしん なしのしんはすてるもの、だから しんまで食べる子は、けちんぼよ。 なしのしんはすてるもの、だから そこらへほうる子、ずるい子よ。 なしのしんはすてるもの、だから ごみばこへ入れる子、おりこうよ。 そこらへすてたなしのしん。 ありがやんやら、ひいてゆく。 「ずるい子ちゃん、ありがとよ。」 ごみばこへいれたなしのしん、 ごみ取りじいさん、取りに来て、 だまってごろごろひいてゆく。

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